2040年を展望する年末のご挨拶

本年も仕事納めの時期になりました。

利用してくださる方々、理解し協力してくださる方々、協働する多職種の方々、働く従業員のみなさん、大変にお世話になりありがとうございました。

年末は、12/29まで営業しております。

年始は、1/4から営業致します。

 

さて、ここからは代表者個人としての今年の雑感になり、多少内容にエッジが効いてまいりますので覚悟のない方は読まない方がいいかもしれません。

 

2023年は、会社としてもわたくし個人としても、例年以上に多くの苦難に見舞われた一年になりました。

しかし、転んでもただでは起きないのがわたくしこと小林健太です。

自信があります。

その自信も喪失するくらいの修羅場、ピンチ、忍耐の場面がありました。

よくピンチはチャンスと言いますが、何を言ってるんでしょうか。

ピンチはピンチです。

 

あらゆることを乗り越えた先に、「あの時があったから」と結果的に「ピンチはチャンス」の意味になるのであって、ピンチの渦中に「ピンチはチャンス!」なんて言ってるのは、やけの勢い付けのようなもので、あんまりわたくしはそういう趣味ではないのです。

ピンチをピンチとして味わうのもまた粋なものではないでしょうか。

 

そのような事で、わたくしは数年ぶりにデイサービスの管理者および生活相談員および介護職員および送迎ドライバーに復職することが出来ました。

 

そうすると目線が変わります。

 

固有名詞の利用者さまの生活が見えます。課題も見えます。ケアするチームの弱さも見えます。利用する方には残酷な事実かもしれませんがケアするチームには、優劣があります。傾向や個性・特徴と表現するにはいささか無理があるものがそれです。

ケアマネージャーも、介護職員も、看護師も、ドクターも、当然レベルがあります。向上心にも差があります。サービス精神にも差があります。

事業所の運営にも差があります。

 

専門職を実際にやっているとそれが良く見えます。

 

これは、市民の皆さんにとっては「ピンチ」であるなと思うわけです。

自事業所も、他社さんのサービスも含めて、最低限専門職を名乗るならクリアしてほしい知識レベル、技術レベル、仕事に取り組む姿勢のレベル。こういったものが崩壊してしまってはいけない。

そういう問題意識を強く持ちます。

 

「みんな素晴らしい」みたいなキレイごとは人をダメにするので、気を付けなければなりません。「みんな素晴らしくなる可能性がある」というのがわたくしの立場です。

 

専門職としてケアをするには、覚えなければいけない知識、身に付けなければいけない技術があります。

日々、学んでいるでしょうか。経験と勘だけに頼っていないでしょうか。

新薬も開発されています。以前の学説を覆すような研究も発表されています。

社会情勢も、世間の風潮も、人の考え方も、テクノロジーも、国際基準も年単位でめまぐるしく変わります。

なのにわたしたちは、そのままでいいのでしょうか。

 

という事を強く考えさせられる一年でもありました。

プロとして介護をする責任、姿勢。

この一年を振り返った時、カイゴーが所沢で責務を全うするには一定以上のレベルの専門職の育成が必要不可欠と結論しました。

 

2040年には、団塊ジュニア世代が高齢者となり、高齢者人口が最大を迎えます。生産年齢人口は今より1000万人くらい減ります。減少率13%以上という大変驚異的な規模の減少です。

家族観も変わっています。親子だからといって支え合えない家族も増えます。

独居、老人世帯も増えます。

孤独死、変死、行方不明も増えるでしょう。

 

そのような時代になってしまうからこそ、所沢市民の生命、生活、生きがいを護り支えることの出来るカイゴーでありたい。とわたくしは思います。

カイゴーは、介護保険制度開始時からこの町に育てて頂きました。

よってカイゴーの当面のミッションは、『所沢に2040年問題を乗り越えさせる』。

という事になります。

 

コロナの時、行きたくても病院にも行けなかった人が多くいました。

不便でしたね。友人や家族と会うことが出来ない時期もありました。孤独でしたね。

でも、このままだともっと不便で孤独な世の中が訪れそうです。

そんな時代に、市民の希望となりえる会社であるために、強い専門職集団を作り上げていきたい。

いま、わたくしはそう思って静かに燃えております。

 

わたくしは兄弟が6人と多いですが、そのうち3人とは疎遠です。

日常的に助け合える間柄ではありません。

多くの家庭も昭和時代ほど家族間の結びつきは強くないでしょう。

 

しかし、国民の総意で作られた制度があります。

介護保険制度や、いろいろな社会保障制度です。

これが、血縁を超えて人と人とを結びつける。

 

資本主義というもの。

お金を媒体にして、なじみの居酒屋さん、喫茶店、商店があり、もしかしたら血縁以上の結びつきがあるかもしれません。

 

これからの時代は、血縁や地縁だけに頼るのではなく、国民全体で支え合う時代。

保護が必要なかわいそうな人だけが、制度を使うのではなく、

国民全員が制度や資本主義を使ってつながりあう。

 

こんな世の中になると思います。

そんな世の中が、明るく希望に満ちたものになるかどうかは、制度を運用するわたくしたちカイゴーのような会社がどれだけ頑張れるかにかかっている。

 

大風呂敷と笑うかもしれませんが、自分たちが携わる仕事の意義を大きく捉えて大きく意味のあるものにしたい。

 

そういう事を考えて、またカイゴーの全員が、雇用契約上の責任だけでなく、社会的な使命や責務について覚悟を新たにしてまいりたいと思っております。

 

本年もありがとうございました。

 

2023年のおわりに 代表取締役 小林健太


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