~介護従事者にもエールを~
いつも、カイゴーを応援して下さりありがとうございます。現下、新型コロナウイルス感染症の影響によって苦心をされ、また奮闘されるすべての皆様にお見舞いと感謝を申し上げます。
本日はタイトルに掲げた通り、「介護従事者にもエールを」と声を大にして言いたいと思います。
世界中のあらゆる立場の方が影響を受けている情勢で、特に医療従事者の活躍には誰もが拍手喝さいを送られている事と感じています。
でも、ここにも大変な心労を抱えながら淡々と仕事に取り組む者がいることを知ってほしいと思うのです。
それは、介護職(ケアワーカー)や家族等の介護にあたる方(ケアラー)です。
私たちは、日頃から高齢者や障害者等の生きづらさを抱えた方への介護(ケア)を行っています。私たちのクライエントにとっては、日常にケアが必要なのです。日常が緊急事態宣言なのです。不要不急なケアというものは基本的にはありません。よって、私たちは今も当然サービスを継続しますし、クライエントは私たちのサービスを必要としています。
介護職の仕事はその多くが対人援助であり、身体的接触や居室などの密閉空間での援助を伴うものです。そして、クライエントの多くは感染症に対するリスクが高いとされる方々です。
「自分が感染者であると思って行動してほしい」これは正論ですが、介護職はケアの現場に赴くたびに心で戦うのです。「私がもし感染者であったら、今日のケアで高齢者を罹患させてしまうかもしれない」。不安とためらいと闘っているのです。しかも、防護服もありません。サージカルマスクもありません。でも、介護職はそんな感情は表には出しません。プロですから。
プロと言っても、家に帰れば生活者です。さらに、介護職(特に在宅の訪問介護)を担っている者の中には高齢者も多くいます(当社の従業員は皆、見た目が若々しいのでそうとは思われないかもしれませんが)。高齢の介護職が、自身より年齢の若い方のケアをすることは珍しくありません。
でも、介護職は今日も笑顔で、訪問先のドアを開けます。
なぜ、自身が高リスク者であるのに、「自分が感染者であると思って行動を」と言われているのに、介護職は仕事を続けるのでしょうか。
それは、「私が行かなければ、この人の生活はままならない」と知っているからです。福祉サービスの供給のストップは、必要とする方にとっては、その基本的人権が損なわれることを意味するからです。
名もない平凡な近所のおばちゃん(おじちゃんもいますし、平凡でない方もいますが、、、)が、この未曾有の嵐の様な事態の中で、人権を守るために戦っているのです。
本音を言えば、正体の見えないウイルスは不安です。
しかし、介護や福祉に従事する私たちは、常日頃から病や老い、死ぬことや生きる事と向き合っています。私たちにとってもまた、日常が緊急事態宣言です。
だからこのような時にいたずらに恐れ、狼狽することはありません。内心そうであっても、クライエントの前ではいつもの笑顔を忘れません。
こうして、誰に褒められなくても戦っているのが、介護職です。
しかし今、残念なことに、一部の自治体の長による個人の発信の一部に、介護や福祉はあたかも優先度の高くないものであるかのような論調が見受けられます。
私は、カイゴーを代表して、また介護福祉士、社会福祉士の端くれとして、このような論調は不適切であり遺憾であるとはっきりと申し上げます。
緊急事態宣言下において人との接触を減らす意図があっての発言であるとは承知しています。発言の真意も推察できますし、大変な立場である気持ちも推量します。
でも、カラダを張って戦っている当社の若いおばちゃんたちにとっては失礼千万です。
利用するクライエントの立場に立てば、私権を制限することには慎重かつ丁寧であるべきです。
ともかく、声を上げる余裕もなく毎日戦っている全国のケアラー(身内の介護をする方)、ケアワーカー(仕事で介護をする方)に対して心よりの敬意と感謝の意を表するとともに、戦うおばちゃん、おじちゃん(若者も)にエールを送ってほしい!!
そう思って、言葉をつづりました。
あなたの周りにいる、介護従事者にも(職業であるなしに問わず)エールを送っていただけたら幸いです。
追伸
厚生労働省より、職員分の布マスクが届きました。誠にありがたく、大切に使わせていただきます。
2020.4.14
有限会社カイゴー
介護福祉士 社会福祉士
小林健太