先日、不定期の書類整理をしているとこんな本が出てきました。
経営学の第一人者として有名な世界の誰もが知る、ピーター・F・ドラッカー博士の、
非営利組織の「自己評価手法」です。
あれは、数十年前に私が初めて介護の仕事に就いた時の施設管理者でもあり、介護業界へのきっかけを
作ってくれた恩ある先輩から、この本は先々の営利・非営利問わず、介護事業所組織運営において参考・
指針にすべきことがある。大変良い本だからと贈呈されたものです。
当時は、この難解なメッセージを理解・実践するために何度も読み返したものです…。
皆さんは、既にご承知とは思いますが振り返りとして改めてご思案ください。
ドラッカー博士の書籍「マネジメント」の中で、こんなお話(寓話)があります。
それは、「三人の石工職人」というお話です。
古代ギリシャの時代、三人の石工職人がいました。
毎日大量の汗を流しながら、ひたすら石を切り、同じ給料で働いています。
そこに、一人の旅人が現れ、石工職人たちに質問をしました。
「あなたたちは、何のために石を切っているのですか?」
一人目の職人は、こう答えました。…「お金をもらうためだ」
二人目の職人は、こう答えました。…「腕に立つ職人になるために仕事をしてるんだ」
三人目の職人は、こう答えました。…「国で一番の教会を建てているんだ」
さて、この三人の中であなたはどのタイプでしょう???
そして、後日、ドラッカー博士は、「四人目の石工職人」を登場させて、以下のように続けます。
旅人は、もう一人の石工職人がいたので同じように質問をしました。
すると、四人目の石工職人は、こう答えました…。
「私は、この地域に住む人々の、心が通い合う場所を創っているんだ」
このお話には、いろんな見方がありますし解釈も多様です。
この四人の中で、だれがいいとかということではありません。
考え方や価値観は人それぞれ違うものです。
でも、できれば四人目の石工職人がいいというか、そう思えたらステキですね。
最後に、非営利組織の「自己評価手法」では、ドラッカー博士から5つの重要な質問があります。
①われわれの使命(仕事)は何か?
②われわれの顧客は誰か?
③顧客は何を価値あるものと考えるか?
④われわれの成果は何か?
⑤われわれの計画は何か?
と、ドラッカー博士は問いかけます。
いまだに、十分な答えも少なく、課題だらけですが…。
このメッセージだけは生涯忘れないように、後輩・後継者へ伝えていきたいと思う。
素晴らしい書は、意欲ある者を正しい道へ導いてくれますね。